清掃部位と歯ブラシ

歯ブラシは歯を磨くために設計されているわけですが、設計者はどのような清掃状況を考慮しているのでしょうか。歯磨きに臨む時、子どもならともかく、成人はただ腕を上下に動かしているわけではありません。口腔内の部位ごとに複雑な動きで磨いています。ここで言う部位とは、歯間部、歯肉部、歯周ポケット、舌等を指します。いずれも独特の形状をしていますが、歯ブラシはその全てに対応しているのです。

では部位ごとに歯ブラシの設計思想を見ていくことにしましょう。まず歯間部ですが、この部位は汚れが貯まりやすいという特徴があります。同時に清掃し辛い箇所でもあるため、歯周病の原因になり易いのです。より細かく歯間を清掃する場合はデンタルフロスやタフトブラシが必要になりますが、普通の歯ブラシでもある程度汚れを取り除けるようになっています。歯ブラシの毛は平切型や山切型が組み合わされており、その複雑な毛先が歯間にも届くように設計されているわけです。因みに歯間の出来具合は人によって異なるため、空隙が広い人は専用の歯ブラシを使うことになります。また歯間清掃は歯肉マッサージと一緒に行うと効果的なので、2列の毛が付いた歯ブラシで行うのも有効です。次に歯肉部ですが、大事なのは歯磨きで傷つけないことです。とはいえ、歯肉に触らないようにするのは却って危険です。

歯肉を清掃しなければ、その汚れが口臭の原因になったり、菌の住処になったりするからです。歯肉に対しては、毛先が細くて柔らかいブラシを選択するようにしましょう。専用ブラシは頭部が大きいのが特徴で、一気に歯肉全体を清掃することが出来ます。三つ目は歯周ポケットですが、ポケットと言われるくらいですから、そこに毛先が入り込むように設計しなければなりません。具体的には極細加工毛を用いることになります。また段差植毛にすることで、テーパード毛がポケットに入りやすくなります。最後に舌ですが、こちらは皆さんもご存知のように、舌用のブラシが販売されており、一般的な歯ブラシを使うことは珍しいと考えられます。舌の表面には俗に苔と呼ばれる汚れが付着しており、それが口臭の原因になります。苔は細菌や死んだ細胞、白血球、食物等で構成されており、簡単には取り除くことが出来ません。

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